アズロマラカイトは、紺碧のアズライト(藍銅鉱・らんどうこう)と、緑色のマラカイト(孔雀石・くじゃくいし)が混ざり合い、あたかも地球のような色合いを見せる、非常にうつくしい鉱物です。

そのうつくしい色合いは、顔料や、日本画の岩絵の具としても用いられました。

手のひらに乗せて眺めているだけで、ここちよいさざなみの音と涼風を呼んでくれるような、ヒーリング効果の高い石です。

そのパワーも、成分と同様に、アズライトの心を晴れやかにする効果と、マラカイトの魔除けの効果をあわせ持ったものだといわれています。

アズライトとマラカイトは、色合いこそ異なりますが、いずれも銅の鉱床から採掘される鉱物で、非常に近しい成分でできています。

宇宙を思わせる、紺碧のアズライトは、水分を含んで風化すると、地中海の穏やかな海の色を彷彿とさせる、深緑のマラカイトに変容することがあります。

アズロマラカイトは、その過程で出来上がることもありますが、鉱脈に染み込んだ水分や、酸性度の違いによって、微細な変容をとげている場合もあります。

通常、「ピーコック・ストーン」、すなわち「孔雀石(くじゃくいし)」といえば、マラカイトのことをさしますが、アズロマラカイトでも、目玉を彷彿とさせる縞模様があれば、同様の名前で呼ばれることがあります。

ピーコック・ストーンには、邪悪な呪いの目を退ける、強力な魔除けの力が備わっているといわれ、世界各地で非常に古くから護符として愛用されてきました。

邪眼信仰はさまざまな地域で見られますが、特に地中海に面する南ヨーロッパと、中東周辺がさかんで、現在でもたくさんの邪眼除けグッズが売られています。

「秘密の愛」と「危険な愛」

アズライトの石言葉は、「秘密の愛」。そして、マラカイトの石言葉は、「危険な愛」。どちらもたいへん意味深で、ドキドキする言葉です。

ときめきには、秘密と危険がつきものですから、この二つの石言葉は、恋愛の高揚感を示しているのでしょう。

アズライトは「ギャンブラーの守り石」という別名があるほど、強い勝負運を発揮する石です。また、マラカイトには真実を見極める目の力と、強い魔除けの力が備わっています。

少々無理だと思われる恋愛でも、アズロマラカイトのパワーを借りて、勝負に出てみるのもよいかもしれません。

アズロマラカイトのパワー

強いパワーを持った石ですが、クセはなく、誰にでも親しみやすい石です。純真で可憐な心を守る、騎士の性格を持っていますので、女性やお子さまにも、たいへんおすすめの石です。

呪いや嫉妬、恨みを退けて、邪悪なエネルギーから持ち主を守ります。特に邪悪なものが集いやすいといわれる夜には、心強い護符となってくれます。

枕元に置いて眠ると、悪夢を取り除き、安らかで心地よい眠りをもたらしてくれるといわれています。瞑想にも最適の石です。

非常に硬度が低く、摩擦、衝撃に弱い石です。取り扱いには、細心の注意を払ってください。他の石と触れ合わないように、保管にも工夫が必要です。持ち運びのさいには、巾着に入れるか、やわらかい布で包むようにしてください。

水や日光は変質のおそれがありますので、避けるようにします。最適な方法は、穏やかな月の光、またはクリスタルによる浄化です。惑星の光や、星明かりによる浄化もよいでしょう。

音による浄化の場合は、なるべく天然素材の楽器の音がよいようです。

銅の鉱床があるところならば、世界各地で幅広く採掘されますが、中央アフリカに位置するコンゴ共和国や、南アフリカ共和国など、アフリカ大陸のものが有名です。

アメリカのアリゾナ州では、非常に色合いのうつくしい、高品質なものが採掘されます。特に、ターコイズの産地として名高い、アリゾナ州のモレンシー地方では、大きな赤銅の母岩に、ウロコ状の結晶が重なり合って、独特なムードの見事なクラスターが採掘され、コレクターたちに高い人気を誇っています。


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